あけましておめでとうございます! 2024年は子どもを寝かして寝落ちして2025年になりましたが、まとめを書きました。書いてくと子育てがとても長かったので、そこまでで1本で。
Twitterにはチラチラ書いてしまいましたが、2019年からとにかく険しい道のりでした。1歳半のとき、保育園の先生から情緒面で受診を勧められ、複数の児童発達支援 (例えばLITALICOでの療育。ソーシャルスキルトレーニングなど。) サービスの利用を経て、現在に至ります。本当はここまで全部をほめてほしい〜〜〜くらいだけど、これは孤独の道というのはよくわかっています。で、2024年は本当に激動でした。
少し詳細に書いてまして、いわゆる「知的なし」で奮闘している方に、1つのケースとして参考になれば幸いです。
大前提ですが、うちの子のことは大好きです!!
就学
保育園を卒園し、小学校に入学する。入学するんですよ、この間まで赤ちゃんだったのに。 ただし、環境変化が苦手な本人にとって最も不安が強く、大人にとってはおそらく最も不確実性が高い時期です。 (とりあえず学童は第一希望で通っていて本当によかった)
入学前の不安定や不登校など、いざという事態のとき、時短勤務や (育休的な) 休職などが必要になりますが、前職はステージが早いスタートアップで実質的に困難だったこともきっかけで、1月から転職していました (キャリア上の理由ももちろんあります!)。前職では入社のときに「子育てが大変になります」とは宣言してたものの、当初より大幅にマインドシェアを割いており、さらに途中での離脱となって、ご迷惑おかけしたと思います。また転職活動期に妻にかなり無理を強いてしまいました。
発達に課題のある子は、小学校から進路を考える必要があります。大きく分けて「特別支援学校 (重度の場合)」「特別支援学級 (カリキュラムがフルカスタム、主に知的面)」「通級指導 (通常級にいながら、週に数コマ特別な内容」「通常級 (支援なし)」の4つあります。
入学前に通級の先生と面談をしており、通級で概ねの段取りはついている状態でした。ただ、特別支援は学校ではなく教育委員会による裁定となっており、就学相談が遅くとも8月のあと、決定するのが 3月末と入学直前で 、親にとって心理的負担が極めて大きかったです、ほんとに。入学直前に突然、程度が軽いので支援はなしです〜〜になりかねないんです。特別支援が進んでると言われてる大阪ですらコレなの、マジでおこだよ!w
ちなみに2024年度から「週の半分未満という中途半端な特別支援級への在籍は許さない」という文科省通知が出され、入学後どうなるかが不明なので「念のため」支援が手厚い特別支援学級に在籍させておくという裏道が閉ざされたという不安要素も追加されていました。そんな裏道の背景には、特別支援の制度はどれも利用や変更の融通が効かないという事実があります。運用上の難しさは理解しつつ、このあたり柔軟になってほしいと切に願っています。
時代を先取っていた大阪「ともに学び、ともに育つ」教育 文科省通知は「不当な差別」弁護士会が撤回勧告(Yahoo!ニュース オリジナル THE PAGE)
「いざという事態」の予想は的中し、卒園が近づくに連れて極めて不安定になり、正直非常に困難な状況でした。ただ相談先も切り替わる時期でもあり (児童発達支援は未就学児までが対象) 、ひたすら忍耐しました。この辺も制度が良くなるとよいのですが。
しかもしかも、入学式前に両親ともにコロナになってしまい、親族含め誰も入学式に出れずでした。特別な配慮が必要な子どもは入学式の予行練習を済ませており、当日は通級の先生が (おそらく特別対応で) 付き添ってくださったとはいえ、たった一人での新しい環境。そんな中でも、なんと 一人で胸を張って入学式に行き、無事に帰ってきました 。胸を張るというか、自分で行ってこれるよ、と宣言して行ってきたんです。とても成長したねと感動しました。
ちなみに、自己隔離で寝込んでいる間に「がんばったねパパ」と書いてくれたのは、今でもドアに貼ってある宝物です。
不登校・不学童予備軍
「叩いてしまった」「この子にいつも〇〇される」「宿題なかなかやってくれない」などと言った話は、どの子にも少しはあると思います。しかし頻度が多かったのです。
10月の運動会後あたりから、学校や学童の先生から週に何度も、怪我させる危険、授業中の逃避行動、宿題や遅刻について話が来て、家でも不安定に。登校しぶりもクライマックスステージを迎えました。不安定な行動だけでなく、自傷的な発言も出てしまい、本人に話をよく聞くとSOS状態。この解決は本当に「奮闘」でした。
まず妻が限界になり、学校からの連絡を自分に集約しました。早めに対処できず申し訳なかった・・。この手の話は (相談援助の基本にも出てきますが)「自分」と切り離して考えないと罪悪感に飲まれてしまいます。 (大変に僭越ながら) 先生から「相談されている」ということにすることで、客観的に捉えることを意識して回避しました。
学童の訪問支援の先生と面談、通級の先生への電話など、ひたすらヒアリングして情報を集めました。その結果、環境に対するストレス (人間関係や学習面) が原因で、他の子への意図しないちょっかいなどが増え、衝動的な行動によりトラブルになっていると判断できました。衝動的行動→叱られ・避けられ→ストレス→衝動的行動、の負のループです。
(知的なしで) 発達に課題のある子の支援は、「療育 (いわゆる。本人へのソーシャルスキルなどの訓練です。)」「環境調整 (とそれをEnablingするペアレントトレーニング、保育所や学校への訪問支援)」「薬物療法」の大きく3つに分けられます。前者2つは短時間ながら通級の先生や訪問療育で実施してくださっており、また制度の柔軟性も、効果の即効性もありません。
ペアレントトレーニングでも基本的には「叱る量を減らす」ように指導されますが、「怪我しそう」なものは叱らざるを得ません。心に余裕を作らないと実践ができないのですが、正直先生自身も限界のようでした。35人とかの学級で、支援員の先生がいるとはいえ、特別な支援の必要な子が他に数人いる状況では、普通に厳しそう・・。 (ちなみに宿題を学校に置いてきたときに学童の先生が写経させてしまい、典型的な「罰」 (ペアレントトレーニングで真っ先に止められます) なので、ドキッとしました...w)
負のループを断ち切るために、今回は薬物療法を追加することを選択しました。家での様子 (が結構やばかった🥹) や関係者の面談から得られた話を1ページにをまとめて、かかりつけの児童精神科の先生に持っていき、投薬の必要性を訴え、即日処方していただくことができました。お薬は相性とか副作用の問題が出ることがあるようですが、今回は一回できれいにハマり、学校の先生から、友だちとのトラブルが目に見えて減ったという連絡が来るようになりました。ここのガチャが一発で通ったのは本当に幸運でした。
追記: 運動会が終わるまでもそこそこ不安定ではありましたが、毎年そうなので運動会が終わったら改善すると油断していたんですよね。セオリー通り、行動の「なぜ」を慎重に観察する必要がありました。ちなみに、運動会は本当に上手に踊っていて、かけっこもフライングしないようにスタートを遅らせてしまったけど、落ち着いて最後まで走りきれてて、えらすぎた。 あと、お薬を決める前後のころは、わざとじゃなくてもやってしまうことについては、すべて自分のせいではないということを伝えて、できる限り寄り添う形にしました。
子どものアンガーマネジメント
意図してない行動は減ったとはいえ、感情のコントロールにはまだ課題がありました。例えばスプラで台パンなどw (落ちつけば勝てると伝えるのですが、まぁマッチングシステムがねぇ...w)
たまたまAmazonで、以前身体接触の課題を解決すべく買った「だいじ だいじ どーこだ?」と同じ絵の方で「きみのこころをつよくするえほん」という本が出ているのを見て、ふと買ってみました。
これが大変に良いえほんで、もやもや感情 (かわいい) や対処方法 (深呼吸とか名前をつけるとか、見方を変えたり、親に抱っこしてもらったり、...) を、視覚的にわかりやすく描いてくださってます。
この本を一緒に読んで、自分から「怒っちゃったときはこの本が近くにあれば大丈夫」と言ってくれて、それからは「モヤモヤくんが大きくなっちゃったのかな?」と言うだけでも、ちょっと落ち着くようになりました。劇的・・。感情を客観的に見れるようになることが大切だったんですね (感情を客観的に見る話を、会社の納会で歴戦のすごい方々も言っていらっしゃったなぁ...)。
うちの子はいわゆる「視覚が優位」のようなので、言葉での説明よりも、絵になると理解の速さが段違いだと感じました。 (図鑑や歴史漫画とかも大好きです)
この本はただのミスで2冊買っており、通級指導教室に寄贈させていただきました。
追記:私の理解では、まずは子どもの感情に親が巻き込まれないようにすることが一番大事 (怒っている子どもに正論を言ったり、怒り返すとさらに不安定になる) で、その次に寄り添い (先にイライラを小さくします。怒りを甘えたいと捉えることもできます。ただし強化してはなりません) が、その次に一緒に紐解いてあげる (可視化、言語化、客観視) ことが大事です。
得られた知見
一旦は解決に見えますが、不安定だった時期に学習面の遅れ (特に書き取り) が出ていて、本人に一番合う形を模索しています。 「作業」「単調な繰り返しの練習」が苦手なんですよね、わかる (わたしたちだってソースコードの写経とか無理だもんね...)
書き取りの困難をタブレット教材などの工夫で解決できた方がいれば、ぜひコメントください。
学習は積み上げなので、一度ズレてしまうとドミノ倒しになり、解決にかなり時間を要します。 かつ、通常級では遅れを個別にカバーする余裕は正直ないはずです (家庭での学習となり、さらなる親の時間捻出が発生します)。
よって、問題が大きくなる前に予防的に (兆候が見られた時点で見つけて) 解決することが大切になります。 そのためには普段から、先生方と能動的に (つまり定期の懇談以外でも) コミュニケーションを取り、予防的に支援の幅を広げることが大事ということが学びになりました。 もといステークホルダーマネジメントですね。
就学〜奮闘では、関わり方の良し悪しの判断 (罰の話など) や、利用できる福祉サービスなど、ペアレントトレーニングや保育士試験の一部で学んだ話がそのまま活きるシーンがいくつかありました。このあたりの情報は広範にわたるにも関わらず散らかっており、発達に課題のある子 (知的なしの場合) の子育て入門ガイドなんかをいつか書こうと思います (ペーパー保育士の名にかけてw)。
罰については自分も正直「叱る (嫌なことの出現)」は減らしてるけれども「ゲームの時間が減るなど (良いことの消失)」の方向にやってしまいがちなので、わたしも自戒せねば。
最後に
子育ては全く持って1本道ではないということを身をもって学んでいます。特別支援学校ではない学校に進学しても、特別な支援が必要な子どもは学級に数人はいるでしょう。
そんな子どもが他の子に迷惑をかけてしまったとき、たしかに「わざと」のこともあるのですが、不穏な反応があると、親にとっても心理的な負担が極めて大きいです。外出中に嫌な顔で見られるのとか、辛かったな。
なんか社会全体みたいな話になっちゃうのですが、いろんな子どもに対しておおらかな目で見守っていただけると、わたしたちにとってはとてもありがたいです。何卒..!
oO(追伸:この仕事は365日中365日は感謝されない (システム管理者の日のオマージュですw) ので、こっそりほめてもらえるとうれしいです!)